高崎市 市民後見人の活動支援
2013年8月21日 16:14
1.弁護士法人龍馬は,高齢者問題に取り組み,高崎市市民後見人を養成・支援しております。
2.「市民後見人」とは
(1)市民後見人は,認知症の高齢者や知的障がい者ら,判断能力が不十分な成年者を保護するため,地域の一般市民が本人に代わって,介護保険契約の締結などを行います。
「市民」つまり,
① 地域社会で生活する住民,
② その生活の中から物事を考え,
③ 地域の人たちと関係を築き,
④ 共に地域で暮らしていく人たち,を養成します。
市民後見人の素養は,地域社会での生活の延長線上で,高齢者の立場(尊厳)に立って,その人の生活を支援するために何が最善なのかを考えることができることです。
(2) 高崎市では,2012年9月,「市民後見人」を養成するため,地域において独自に養成講座を開講しました。弁護士法人龍馬は,高崎地域における市民後見人の養成とともに,その支援を担当します。
3.後見申立案件
市民後見人候補者が担当する案件には,次の2つの場合があります。
(1) 高崎市長申立・・・資力なき高齢者の場合には,成年後見制度利用支援事業の活用します。但し,福祉予算減少のため,市長申立案件を活性化することは困難です。
(2) 地域包括支援センターにおいて問題とされる案件には,親族間対立あるいは虐待等の困難事例があります。このような場合,弁護士介入により事案整理の上,親族申立まで進めます。本人資力によりますが,親族後見人によるのではなく市民後見人の関与が求められる案件として処理できます。
4.高崎市 受任調整会議
(1) 2013年8月23日(金)第一回 高崎市受任調整会議が開催されます。
メンバーは,市担当者,弁護士3名,社会福祉士,司法書士で構成されます。
(2) 事例の説明
① 市長申立案件については,市担当者による案件説明がなされます。
② 親族申立案件につき,当該事案を整理した弁護士により,案件説明がなされます。
(3) 当該高齢者と市民後見人候補者とのマッチング
→ 講座担当者である専門職が,ゼミや事例検討会での市民後見人候補者と案件での当該高齢者とを対応させます。講座担当者であり,受任調整会議メンバーである専門職は,市民後見人候補者と顔がわかる関係にあり,マッチングが可能となるからです。
5.高崎タンデム方式
本年9月からの市民後見人推薦の際には,専門職後見人と市民後見人を組み合わせ,1年後に専門職が離脱する方法をとります。この高崎タンデム方式の「メリット」は,
① 市民後見人のOJT(オンザジョブトレーニング)です。
② 市民後見人の職務初期段階における負担の軽減になります。
③ 専門職後見人の導入機能が図れます。
6.市民後見人コミュニケーションシステム
実際に市民後見人が活動する際には,市民後見人と専門職(弁護士法人龍馬)との間における,情報共有システムを構築する予定です。
市民後見人は,支援組織に,メール(安全なVPN通信を別途構築)で後見関係書面を送付し,市民後見人と専門職との間において案件の共通認識を有し,共通課題に取り組みます。
支援組織は,後見関係書面を,被後見人ごとに後見業務中(10年にもわたる)及び後見後5年,サーバーにより管理保存します。
7.市民後見人による相談会の開催
高崎市市民後見人は,組織作りをし,市民後見人による「一人暮らし高齢者等の相談とセミナー」開催を予定しています。
高崎市市民後見人の組織は,高崎市との共催を求めていきます。
セミナーでは,専門職による講演を予定し,相談会の対象者は,高齢者,その家族,民生委員の方々を予定します。
そして,認知症となった高齢者との意思疎通を如何に図るかなどの相談機会とすること,年もとってきた,財布の管理も困難になってきた一人暮らし高齢者等の方の掘り起こしをし,市民後見人に繋げる機会とすることを相談会の目的とします。
8.付言・・・「任意後見」
高齢者が介護保険サービスに加えて,+αのサービスを受けるためには,法定後見ではもの足りず,任意後見契約が必要となります。
例えば,
① 日々清潔でありたい・・・爪も鼻毛も定期的にカット,
② 施設の部屋に,花を常備したい。
③ 今までのヘルパーさんの定期訪問を受けたいなど。
→ 任意後見により,必要となる独自の契約を事前に締結しておくことで,費用はかかりますが,プラスαのサービスが可能となるのです。
弁護士法人龍馬HP:http://www.houjinryouma.jp/